こんばんは、6年半勤めた市役所を退職した、元公務員のアヤトです。
公務員を休職していて、退職を決意したあなたのためにこの記事を書きました。
でも、こんな疑問がわいてくるんじゃないかなーと思うんですよね。
「休職から退職するのってどういう風に進めたらいいんだろう」
「退職の話をしたら引き止めにあって辞められなくなるのかな」
「余った有給休暇はどうしたらいいんだろう」
たくさん不安なことがあると思いますが、これらの疑問に答えるべく、実際にどうなのかについて休職から退職した私の実体験を交えながらお話していきます。
あなたが休職から退職するための手助けに少しでもなればうれしいです。ぜひ読み進めてくださいね。
公務員を休職して退職するまでの流れ
休職から退職までの流れは大体5ステップで進みます。 ※私が住んでいる自治体の対応なので、あくまでも一例
- 上司に退職したい旨を伝える
- 課長から退職関係の書類が届き、記載して課長に渡す
- 人事課へ行き、退職関係の書類に記載
- 組合で自動車保険、退職記念品などの手続き
- 職場の私物の片付け
- 退職辞令交付式
この5つについて詳しく説明していきますね。
上司に退職したい旨を伝える
部下の退職の事務手続きは課長以上が行うので、まずは直属の上司に退職したい旨を伝えてからという流れになります。
課長、直属の上司が2人いる時にまとめて話してしまってもいいし、伝えやすい方法で大丈夫です。
また、退職のお話する場所は、職場だといろいろと思い出してうまく話せないこともありますので、自分が話しやすい場所を選ぶといいですよ。
私の場合だと、退職したい旨を伝えようと思ったタイミングで上司から「ご飯行かないかい?」と連絡が来たので、喫茶店で待ち合わせすることに。
たわいもない話をしつつ、体調のことや今後のことを聞かれたタイミングで、診断書(後述してます)を添えて退職したい旨を話しました。
もちろん、上司はものすごく驚かれてめちゃくちゃ動揺。
「とりあえず本気だということは伝わったけど、理由を聞いてもいいかな?」と言われ、
- 組織が合わない
- フリーランスのWeb系エンジニアになりたい夢ができた(今はちょっと違う道に行っていますが)
と正直に伝えたところ、「どちらも退職しないと実現できないことだね。組織のことも、確かにどこに異動しても同じ傘の中にいることは変わらないよなあ」と理解してくれました。
私の意志が堅いことを感じてくれて、「大事な部下がいなくなるのはすごく心苦しいけど、アヤトが決めたことだから応援するよ!」とうれしい一言。
実際に退職の事務を進めるのは課長以上の対応になるということで、一旦話を持ち帰ってもらうことになりました。
課長から退職関係の書類が届き、記載して課長に渡す
直属の上司に退職したい旨を伝えたら、上司が課長以上に伝えてくれるので、課長からの連絡が来たら実際に退職の事務手続きが始まります。
退職願の提出方法は直接が望ましいですが、どうしても精神的に辛ければ「○○の都合で郵送にしました」と一言添えて郵送にしましょう。
ちなみに退職願の様式は自治体によってあったりなかったりで、無かったとしても基本的に書くことは一緒なので安心してくださいね。
A4用紙に「一身上の都合により○月○日に退職したいので承認くださいますようお願い申し上げます」というような文面と、届出日と氏名を記載し、印鑑を押印でOK。
※退職日の考え方については後述します
私は送ってもらった様式に書こうとしたら日付を書き損じてしまったので、結局全部手書きで書きました。
「書き間違えてしまったので手書きにしました」と一応伝えたけど、必要な要件さえ書いてあれば大丈夫なので、特に何も指摘はされませんでした。
退職願の渡し方は気を遣っていただき、「とりあえず自分のところにさえ届けばいいから」と言われましたが、直接会って渡しました。
かなり緊張したのですが、課長から「前向きな退職と聞いて安心したよ。自分の人生だし好きなことしたらいいよ」と温かい一言。
あとは課長の方で内部の事務手続きを進めることになり、有給消化期間に入ります。
人事課で退職関係の書類に記載
人事課へ行き、退職にあたって以下の書類手続きをすることになります。
- 保険関係の脱退手続き(加入している場合)
- 福利厚生会の脱退手続き&お見舞金の受け取り方法について
- 国民健康保険、任意継続保険のどちらに加入するかの確認
- 退職手当関係の各種確認と振込口座の確認
- 退職辞令交付式までに返却してほしいものの確認
自己都合退職だからなのか、手続きはほとんど内容見て署名するだけで10分もかからずあっという間に終了。
この手続きで退職後に国民健康保険または任意継続保険に加入するか確認されるので、先に試算しておくのがおすすめ。
ネットでも試算できますが、国民健康保険の場合は窓口で計算してもらった方が確実です。
任意継続は人事課でも教えてくれるので、その時に聞いても大丈夫です。
金額を比較して安い方を選んでくださいね。(私は国保のほうが安かった)
ちなみに6年半ほど勤めた場合の私の退職手当は、積立30万+退職手当70万で100万円ほどでした。
公務員は雇用保険に加入していないので、退職後は失業保険がもらえないので注意してください。
退職手当が失業保険というような感じになるため、気を抜くとすぐに無くなります・・・。
なお、この手続きは課長に退職願を提出して、人事課から連絡が来たのは1か月後くらいとかなり間が空いたので、もしかしたらけっこう待つかもしれません。
組合で自動車保険、退職記念品の手続き
通常市役所を辞めたら組合から抜けることになるので、組合の自動車保険に加入している場合は脱退しなければなりませんが、退職者の会に加入したら継続することができます。
(自治体によって異なる可能性があります)
私は自動車保険に加入していたので、年会費1,500円で退職者の会に入って継続することにしました。
退職記念品の受け取りについても説明され、退職後に受け取りに来てねって感じでしたね。
ちなみに5,000円分のクオカードでした。
職場にある私物の片付け
各種手続きを終えたら、あとは休職中に置きっぱなしにしていた私物の片付けで終わりです。
平日の日中は行きにくいと思うので、事前に上司に連絡して休日に片付けるのがおすすめ。
私の場合は2回に分けて行ったのですが、1回目は上司も心配?して来てくれました。
そして休職前にやり残していた会議の報告書と、出張の復命書の仕事も片付けしてこれが最後の仕事に。
退職辞令交付式
人事課から退職辞令交付式の時間の連絡が来るので、それまで待ちましょう。
退職辞令交付式は、通常市長からの交付で午前中に終わるのですが、私の場合はちょうど議会シーズンで市長副市長の日程が合わず部長からの交付となりました。
イレギュラーパターンでしたが、職場への最後の挨拶も兼ねて行けたので、あまり気が重たくはなりませんでしたね。
職場への挨拶も休職の場合はかなり勇気が必要ですが、温かく見送ってくださったので私は行ってよかったなと思っています。
でも、中には職場への挨拶ができずそのまま退職する人もいるし、挨拶に行くかどうかは自分次第です。
職場に近づくと具合悪くなったりするくらいなら、無理しなくてもいいと思うので自分の体調と相談してくださいね。
退職の意志を伝える前後にやっておくこと、気を付けること
ポイントは3つです。
- 退職することを伝えるのが辛ければ心療内科or精神科から診断書をもらって渡す
- 引き止めで心が揺らぐなら考え直してOK
- 有給を完全消化してから退職する
この3点について詳しく説明していきますね。
退職することを伝えるのが辛ければ心療内科or精神科から診断書をもらって渡す
確実に退職できる方法は、「医者から見て容態が良くならないので退職することが望ましい」旨の診断書を渡すことです。
医者からの診断は絶対なので、誰であろうと拒否はできません。
退職したいけど自分でうまく説明ができる自信がなかったり、退職をしつこく引き止められるなら診断書を渡すのが一番効力があります。
私も心療内科の先生から診断書を渡されたので、退職する時にその診断書を添えてお話しました。
今思えば、私の場合は理解のある上司だったのでそこまで必要なかったかなとは思いましたが・・。
引き止めで心が揺らぐなら考え直してOK
退職の決断は一ミリも気持ちが揺らがないことが重要なので、引き止めの段階で「やっぱり・・うーん・・」と感じたら考え直したほうがいいかもしれません。
迷っているならもう少し休んで考えもいいし、復帰を考えているなら部署を異動したら良くなることもあるからです。
実は私、1回目の休職でも一度退職の決意をして撤回したことがあるんですよね。
その時は勢いで決めちゃったところもあり、辞めた後のことを全く考えていませんでした。
退職する理由は人それぞれですが、ポジティブな気持ちで決めたことかどうかが重要です。
理由が勢いだったり前向きな気持ちでないなら、辞めた後に後悔する可能性が高いので、すぐに辞めるのはオススメしません。
私も退職願を渡す直前まで行ったのですが、「復職してそれでもダメだったら辞めよう」と思い踏みとどまりました。
その結果、「やっぱり市役所という組織は合わないから別の道を進みたい」という気持ちに気がつけたので、あの時焦って退職しなくて良かったと思っています。
有給を完全消化して退職する
有給は権利なので、全部消化してしまいましょう。
その分、身体を充分に休めたり、転職の準備や自己投資の時間に充てることができます。
私の場合だと、課長から退職願の様式を送ってもらった時に休暇の取得状況も教えてくれました。
退職日は自分で決めることができるのですが、健康保険の加入日の都合を考えると月末のほうがいいです、というか大体みなさん月末ですね。
私だと夏休みなどを含めて約2か月分の有給休暇があり、月末付退職するには2日分の休暇が足りなかったのですが、足りない分は無給扱いという形にしました。
なお、国民健康保険の加入日・退職願の日付については、本人の状況や自治体によって異なる場合もあるので、各種窓口で確認してから判断してくださいね。
案外あっさりと終わる退職手続き
- 休職から退職の流れは上司→課長→人事課の流れ
- 診断書を添えて退職の旨を伝えるのも一つの手
- 健康保険の試算は事前に済ませておくこと
- 退職に少しでも迷いがあるなら辞めなくていい
- 有給休暇は全部消化しよう
以上、休職から退職の流れ、退職の意志を伝える前後に気を付けておくことについてお話しました。
退職の意志を伝えるまではすっごく精神的に負担がかかりますが、それを乗り越えれば退職の手続きはあっさりと終わってしまいます。
退職後の手続きについては以下の記事も参考にしてくださいね。
それではっ